- 曲名:Tomorrow never knows
- アーティスト名:Mr.Childlen
- 作詞・作曲:桜井和寿
- 発表年:1994年
- ドラマ「若者のすべて」の主題歌
英語のタイトルを直訳すると「明日のことはまだ誰も知らない」という意味です。
直感的にイメージしやすいと思いますが、だいたいそのイメージ通りです。
挑戦的で前向きでいながらもどこか現実的で無理に傷を隠さない、そんな印象のある歌。
等身大の主役『僕』に自身を重ね合わせて聴いていただくとより陶酔できる一品です。
それではまいりましょう。
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ストーリー展開として
- 自己紹介
- メッセージ
という流れになっています。1番のサビまでが自己紹介です。
とどまる事を知らない時間の中で
いくつもの移りゆく街並みを眺めていた
幼な過ぎて消えた帰らぬ夢の面影を
すれ違う少年に重ねたりして
この節では『僕』が過ぎ去った時間を悔やんでいる様子が伺えます。
あえて「時間」という無機質で普遍的なものに『とどまる事を知らない』という動詞を付けることで「残酷さ」「非情さ」のようなニュアンスを感じます。
そして『眺めていた』は、「何もせずに(できずに)」という副詞を潜ませているワード。
無情にも時間は過ぎ、僕は何も成しえずに立ち尽くしていた。といったところでしょうか。
後半2行は文字通り。
「自分が少年時代に戻れたらもっと○○していたのに」
夢を諦めて大人になった現在を悔やむ姿が思い浮かびます。
悔やんでいる過去はどんな感じだったかというと、こちら。
無邪気に人を裏切れる程
何もかもを欲しがっていた
分かり合えた友の愛した女でさえも
イヤな奴!w
人をただ裏切るだけでなく「無邪気に」裏切るなんて!
でもきっと彼に悪気はなかったのでしょう。
「周りが見えないほど」、「善悪の判断がつかないほど」、欲しい何かを手に入れるためにきっと全力だったのでしょう。
ときに仲の良い友人を裏切ってしまうほど視野が狭くなっていたのですね。
何も出来なかったどころか、人を傷付けもした。
AメロからBメロにかけてとことん自虐して底辺まで落とします。
償うことさえできずに今日も傷みを抱き
夢中で駆け抜けるけれども まだ明日は見えず
勝利も敗北もないまま孤独なレースは続いてく
サビです。
このフレーズの中に、
『できずに』『傷みを抱き』『けれども』『まだ』『見えず』『ないまま』『孤独』
と、たくさんのネガティブワードが含まれています。
サビではありますが、ネガティブな感情を演出してなのか、演奏においてもまだ静けさを保っています。
ところで、皆さんには「謝りたい相手」はいますか?
私にはいます。
学生時代に悪口を言ってしまったクラスメイト、いつも遅刻して待たせてばかりいた友人、お金が無くて結婚式に参加できなかった友人などなど、、、
いつか謝ることが出来れば過去の罪が償えるはず。
そんな気はしているけど「まだ何者にもなっていない自分」、つまり「過ちを犯した過去と同じ次元の自分」では後悔や反省すらも口に出来ない。
「勝利」や「敗北」を経て、新しい自分に生まれ変わって初めて償うことができる日が来る、と信じている僕。
しかしそれはまだ先のことで、今は暗闇を一人で駆け抜けているところなのです。
ちなみにこのサビの最後、自己紹介の章が終わるタイミングで、バンド演奏がフルに加わって厚みを増します。
いつもここでゾクゾクっとします。
2番に移ります。
ここからメッセージ性が強調されてきます。
人は悲しいぐらい忘れてゆく生きもの
愛される喜びも 寂しい過去も
今より前に進む為には
争いを避けて通れない
そんな風にして世界は今日も回り続けている
この世の哲学、普遍的な価値観に触れます。
人は傷付けたり忘れたり、周囲に嫌な思いをさせながら生きているんだと。
ただし、あくまでも『僕』個人の価値観だと思われます。
この言葉を言い聞かせるようにして、かなり前向きに肯定しています。
なぜならまだ孤独なレースの真っ只中だから。
果てしない闇の向こうに oh oh 手を伸ばそう
誰かの為に生きてみても oh oh Tomorrow never knows
心のまま僕はゆくのさ 誰も知ることのない明日へ
この歌のメインメッセージ1回目。
孤独な暗闇のレースを走る『僕』。
傷付けた人、過去に置いてきた愛情、、、どれも大切だけど、何よりも大切な自分の感情を満たせないと意味がない。
その答えを見つけるために、ただひたすらに明日に向かって走り続ける僕。
『心のまま』にゆく僕という存在が、これまでの自虐的な自己紹介と相まって多少わがままにも受け取れます。
間奏を挟んで。
優しさだけじゃ生きられない
別れを選んだ人もいる
ここでまた言い訳が入ります。
『僕が優しくないのは、今孤独なレースを続けているからなんだよ』と。
『あの人だって、別れを選んでいるじゃないか』と。
しかしこの後、本当は『僕』は悪い人間ではないと気付かせてくれます。
再び僕らは出会うだろう
この長い旅路のどこかで
このフレーズ、1番サビのアンサーとして考えられませんか?
つまり、『僕が成長した暁にはまた会おうね』と約束しているんです。
裏切ってしまった人、愛してくれた人、争って傷付けてきた人たちと、改めて良好な関係を築きたいと、そう願っているんです。
果てしない闇の向こうに oh oh 手を伸ばそう
癒える事ない傷みなら いっそ引き連れて
少しぐらい はみだしたっていいさ oh oh 夢を描こう
誰かの為に生きてみたって oh oh Tomorrow never knows
心のまま僕はゆくのさ 誰も知ることのない明日へ
最後の大サビで今まで言ってきたことが集大成として爆発します。
追加する解説はありません。
あとは過去を思い出し号泣しながら歌いきれば完成です。
あとがき
個人的には転職直後のタイミングでグッサリ刺さりました。
初めて違う職種にチャレンジした時です。
安定を捨て、不安しかない時期。
この答えは3年後にしか分からない、そう言い聞かせて暗闇の中を手探りで駆け抜けた記憶です。
すごく不安だったあの頃のテーマソングがこのTomorrow never knowsでした。
転職、転勤、引っ越しなど、新しいことにチャレンジする方の応援ソングだと思います。
特に仲間や友人など知り合いの少ない環境に飛び込む際にはうってつけ。
起業したり、人知れず目標にチャレンジしたり、何か物事を一人で成し遂げようとしている方にもオススメの一曲です。
どうぞこの歌を胸に、心のまま、誰も知ることのない明日へ手を伸ばそうOhOh
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